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大規模開発プロジェクトのドライビング(7)~集団ヒステリー前編 [仕事法]


このテーマも第七回になりました。かなり一般化したつもりで書いていますが、実はそれぞれのテーマは常に自分が仕事をする上で困っていることです。こういったテーマに関していわゆるマニュアルのようなものはよく売られており、それを使用して飯を食っている人もいます。いままでのテーマに関してはわりと一般的だと思われますが、今回の集団ヒステリーはあまり知られていません(多分)。しかし結構簡単に陥りやすいので集団ヒステリーは注意が必要だと思われます。集団ヒステリーは内部だけで直すのが非常に困難です。経営のように外部から手を入れることが可能な場合は例えばカルロス・ゴーン氏を連れてくるという技もありますが、失敗が多くかつ最終的な結果を求められる研究開発などにおいては内部で集団ヒステリーに打ち勝っていくことが必要です。とりあえず好き放題書いてみるのでよかったらいろいろご意見ください。




○集団ヒステリーの例とヒステリー要因の分析1:経営難の会社

上でカルロス・ゴーン氏が出てきたので日産の例を挙げましょう。ご存知のように日産はどん底からV字回復をしました。さて、なぜV字回復ができたのでしょうか?リストラやコスト削減、ライン管理などいろいろな分析がされていますが、根底にあるのは集団ヒステリーです。

・リストラ→人を切るのは経営者として行ってはいけない(いや、正しいのですが…)

・コスト削減→いままでの仕入れシステムを変えるのは理由があるに違いない

・ライン管理→管理システムを変更すると何かトラブルが出たときの責任が取れない!

多少強引ですが共通して言えるのは既成観念への執着と変化への恐怖です。ただしこのケースが割りと楽なのは、改善していける正攻法が見えていること・会社にその体力があったことです。そして「救世主」として現れたカルロス・ゴーン氏が優秀だったのは重要なポイントです。




○集団ヒステリーの例とヒステリー要因の分析2:研究開発

研究開発が同じマネージメントでも難しいのは正攻法がない、厳しい場合には道筋も見えないということです。そして一般的なマネージメントでは対応が出来ないため内部のみでヒステリーに打ち勝っていかなくてはいけません。以下に陥りがちな状況を挙げます。

・うまく行かないので新しい方法を試そう…救世主頼みの無茶な計画

・ここはこうあるべきだ、○○がダメだとうまく行くはずがない…現実点と到達点の混同

・批判体質…実作業がうまくいかないと口だけ動かす人が増える

さて、3つ挙げましたがよく考えるとそれぞれtradeoffの関係になっていることが分かります。例えば新しい方法を試すのと固執するのは逆、また3つめの批判に関しても何も考えないでとりあえず試そうという姿勢はそれぞれ強弱の問題です。つまり集団ヒステリーとは「思考のバランスを欠いている」状態です。このような状態での客観的な解析は鞍点をさがしてくれないのでさらにどちらかに吹き飛んでいってしまう危険性もあります。さあ困った、どうやって抜け出そう…。




後編では集団ヒステリーに打ち勝つ方法を議論します。ポイントはスパイラルがポジティブかネガティブの見極めです。


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